経営力向上計画の認定を受けた事業者について

経営力向上計画の認定を受けた事業者については、「中小企業等経営強化法に基づく支援措置」として、計画実行のための支援措置
①税制措置、②金融支援、③法的支援)を受けることができます。

①税制措置・・・認定計画に基づき取得した一定の設備に係る法人税等の特例、認定計画に基づき行った事業承継等に係る登録免許税・不動産取得税の特例を利用することができます。

②金融支援・・・政策金融機関の融資、民間金融機関の融資に対する信用保証、債務保証等の資金調達に関する支援を受けることができます。

③法的支援・・・業法上の許認可の承継の特例、組合の発起人数に関する特例、事業譲渡の際の免責的債務引受に関する特例措置を受けることができます。

以下順番に説明していきます。

税制措置概要

法人税(※1)について、即時償却又は取得価額の10%(※2)の税額控除が選択適用できます。(中小企業経営強化税制)
(※1) 個人事業主の場合には所得税   (※2) 資本金3000万円超1億円以下の法人は7%

中小企業経営強化税制とは

制度概要

青色申告書を提出する①中小企業者等が、②指定期間内に、中小企業等経営強化法の認定を受けた経営力向上計画に基づき③一定の設備を新規取得等して④指定事業の用に供した場合、即時償却又は取得価額の10%(資本金3000万円超1億円以下の法人は7%)の税額控除を選択適用することができます。

(注1)税額控除額は、中小企業経営強化税制、中小企業投資促進税制、商業・サービス業・農林水産業活性化税制の控除
税額の合計で、その事業年度の法人税額又は所得税額の20%が上限となります。なお、税額控除の限度額を超える金額については、翌事業年度に繰り越すことができます。
(注2)特別償却は、限度額まで償却費を計上しなかった場合、その償却不足額を翌事業年度に繰り越すことができます

中小企業者等とは

※平成31年4月1日以降に開始する事業年度から適用される中小企業者等について記載しています

・資本金又は出資金の額が1億円以下の法人
・資本金又は出資金を有しない法人のうち常時使用する従業員数が1,000人以下の法人
・常時使用する従業員数が1,000人以下の個人
・協同組合等

※ 中小企業等経営強化法第2条第2項に規定する「中小企業者等」に該当するものに限ります。ただし、次の法人は、資本金又は出資金の額が1億円以下でも本税制措置の対象とはなりません。
①同一の大規模法人(注)から2分の1以上の出資を受ける法人
②2以上の大規模法人(注)から3分の2以上の出資を受ける法人
③前3事業年度の所得金額の平均額等が15億円を超える法人
(注)大規模法人とは、資本金又は出資金の額が1億円超の法人、資本金又は出資金を有しない法人のうち常時使用する従業員数が1,000人超の法人又は大法人(資本金又は出資金の額が5億円以上である法人等)との間に当該大法人による完全支配関係がある法人等をいい、独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小企業等経営強化法に規定する認定事業再編投資組合を経由して間接的に保有している部分のみ)及び中小企業投資育成株式会社を除きます。

指定期間とは

平成29年4月1日から令和3年3月31日までの期間

一定の設備とは

指定事業とは

製造業、建設業、農業、林業、漁業、水産養殖業、鉱業、採石業、砂利採取業、卸売業、小売業、一般旅客自動車運送業、道路貨物運送業、倉庫業、港湾運送業、ガス業、料理店業その他の飲食店業(一定の類型を除き(注4参照)、料亭、バー、キャバレー、ナイトクラブ、その他これらに類する事業を除
きます。)、海洋運輸業及び沿海運輸業、内航船舶貸渡業、旅行業、こん包業、郵便業、損害保険代理業、情報通信業、駐車場業、学術研究、専門・技術サービス業、不動産業、物品賃貸業、広告業、宿泊業、洗濯・理容・美容・浴場業、その他の生活関連サービス業、医療、福祉業、社会保険・社会福祉・
介護事業、教育、学習支援業、映画業、協同組合(他に分類されないもの)、他に分類されないサービス業(廃棄物処理業、自動車整備業、機械等修理業、職業紹介・労働者派遣業、その他の事業サービス業)
(注1)中小企業投資促進税制及び商業・サービス業・農林水産業活性化税制のそれぞれの対象事業に該当する全ての
事業が中小企業経営強化税制の指定事業となります。
(注2)電気業、水道業、鉄道業、航空運輸業、銀行業、娯楽業(映画業を除く)等は対象になりません。
(注3)風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第2条第5項に規定する性風俗関連特殊営業に該当するものを除きます。
(注4)風俗営業に該当するものは、①料亭、バー、キャバレー、ナイトクラブその他これらに類する飲食店業で生活衛生同業組合の組合員が営むもの、②宿泊業のうち旅館業、ホテル業で風俗営業の許可を受けているもの、以外は指定事業から除かれます。

A類型・生産性向上設備

要件

下の表の対象設備のうち、以下の2つの要件を満たすもの
① 一定期間内に販売されたモデル(最新モデルである必要はありません)
② 経営力の向上に資するものの指標(生産効率、エネルギー効率、精度など)が旧モデルと比較して年平均1%以上向上している設備(※)
※ソフトウェアについては、情報収集機能及び分析・指示機能を有するもの

☆要件①、②について、工業会等から証明書を取得する必要があります

対象設備

適用手続き

① 設備ユーザーは、当該設備を生産した機器メーカー等(以下「設備メーカー」)に証明書の発行を依頼してください。
② 依頼を受けた設備メーカーは、証明書(様式1)及びチェックシート(様式2)に必要事項を記入の上、当該設備を担当する工業会等の確認を受けてください。
(注)設備の種類ごとに担当する工業会等を定めております。詳しくは中小企業庁HPをご参照ください。http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/
③ 工業会等は、証明書及びチェックシートの記入内容を確認の上、設備メーカーに証明書を発行してください。
④ 工業会等から証明書の発行を受けた設備メーカーは、依頼があった設備ユーザーに証明書を転送してください。
⑤・⑥ 設備ユーザーは、④の確認を受けた設備を経営力向上計画に記載し、計画申請書及びその写しとともに④の工業会証明書の写しを添付して、主務大臣に計画申請します。主務大臣は、計画認定書と計画申請書の写しを設備ユーザーに交付します。
⑦・⑧ 認定を受けた経営力向上計画に基づき取得した経営力向上設備等については、税法上の他の要件を満たす場合には、税務申告において税制上の優遇措置の適用を受けることができます。税務申告に際しては、納税書類に④の工業会証明書、⑤の計画申請書及び⑥の
計画認定書(いずれも写し)を添付してください。
(注)本手続きを行っていただいた場合でも、税務の要件(取得価額や事業の用に供する等)を満たさない場合は、税制の適用が受けられないことにご注意ください。
☆ 各様式は中小企業庁ホームページからダウンロードできます。(トップページ→経営サポート→経営強化法による支援→工業会等による証明書について)http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/kougyoukai.html
※②~③は設備メーカーと工業会等とのやりとりです。

B類型:収益力強化設備

収益力強化設備の要件

下の表の対象設備のうち、以下の要件を満たすもの年平均の投資利益率が5%以上となることが見込まれることにつき、経済産業大臣(経済産業局)の確認を受けた投資計画に記載された投資の目的を達成するために必要不可欠な設備
※上記の要件について、経済産業局から確認書を取得する必要があります。

対象設備

※1 発電の用に供する設備にあっては、主として電気の販売を行うために取得又は製作をするもの(経営力向上計画の実施時期のうちで発電した電
気の販売を行う期間中の発電量のうち、販売を行うことが見込まれる電気の量が占める割合が2分の1を超える発電設備等)を除く。
※2 医療機器にあっては、医療保健業を行う事業者が取得又は製作をするものを除く。
※3 医療保健業を行う事業者が取得又は建設をするものを除くものとし、発電の用に供する設備にあっては主として電気の販売を行うために取得又
は建設をするものを除く。
※4 複写して販売するための原本、開発研究用のもの、サーバー用OSのうち一定のものなどは除く(中促と同様)。
※5 発電設備等の取得等をして税制措置を適用する場合には、経営力向上計画の認定申請時に「発電設備等の概要等に関する報告書」及びその
記載内容を証する書類の添付が必要となります。詳しくは「経営力向上計画策定の手引き」P.19を確認してください。
※6 働き方改革に資する減価償却資産であって、生産等設備を構成するものについては、本税制措置の対象となる場合があります。
詳しくはこちらの質疑応答事例(国税庁)をご確認ください。https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/hojin/04/16.htm

投資利益率の計算について

※1 会計上の減価償却費
※2 設備の取得等をする年度の翌年度以降3年度の平均額
※3 設備の取得等をする年度におけるその取得等をする設備の取得価額の合計額

投資計画の策定単位について

投資計画の策定単位は、収益力強化設備の導入の目的(=事業の生産性の向上に特に資すること)に照らして、必要不可欠な設備の導入に係るものであり、その設備から投資利益率を算定する際に、追加的に生じる効果を正確に算出するために必要最小限の単位が、投資計画の策定単位です。
(例)工場の生産ラインの改善投資→生産ライン単位(工場全体に効果が出る場合は工場単位)

適用手続き

☆各様式は中小企業庁ホームページからダウンロードできます。(トップページ→経営サポート→経営強化法による支援→経済産業局による確認書について(B類型))http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/kakuninsyo.html

①・② 申請書(様式1)に必要事項をご記入いただき、必要書類(当該申請書の裏付けとなる資料等)を添付の上、公認会計士又は税理士の事前確認を受けてください。公認会計士又は税理士は申請書と裏付けとなる資料に齟齬がないか等を確認し、「事前確認書(様式2)」を発行します。
③・④ 申請者は、必要に応じて申請書の修正等を行った上で、②の事前確認書を添付の上、本社所在地を管轄する経済産業局(※)に、事前にご連絡(予約)をした上で、申請書の内容が分かる方が申請書をご持参・ご説明ください。
※申請書に記載のある設備の導入場所に当該申請書について説明可能な方がいるなど、特段の事情がある場合は設備の導入場所の管轄の経済産業局でも申請ができます。
経済産業局は、③のご説明を受けてから、概ね1ヶ月以内に、②の事前確認書、申請書、添付書類に基づき、当該申請書が経営力向上設備等の投資計画であるとして適切である場合に確認書(様式3)を発行し、申請書及び必要添付書類を添付したものをお渡しします。
⑤・⑥ 申請者は、④の確認を受けた設備について経営力向上計画に記載し、計画申請書及びその写しとともに④の確認書及び確認申請書(いずれも写し)を添付して、主務大臣に計画申請します。主務大臣は、計画認定書と計画申請書の写しを申請者に交付します。
⑦・⑧ 認定を受けた経営力向上計画に基づき取得した経営力向上設備等については、税法上の他の要件を満たす場合には、税務申告において税制上の優遇措置の適用を受けることができます。税務申告に際しては、④の確認書、⑤の申請書及び⑥の認定書(いずれも写し)を添付してください。
⑨ ④の確認書の交付を受けた申請者は、設備の取得等をする年度の翌年度以降3年間について、当該投資計画に関する実施状況報告を、設備の取得等を行った事業年度の翌事業年度終了後4ヶ月以内に、確認書の交付を受けた経済産業局に提出する必要があります。
(注)本手続きを行っていただいた場合でも、税務の要件(取得価額や事業の用に供する等)を満たさない場合は、税制の適用が受けられないことにご注意ください。

C類型:デジタル化設備

デジタル化設備の要件

下の表の対象設備のうち、以下の要件を満たすもの

事業プロセスの①遠隔操作、②可視化、③自動制御化のいずれかを可能にする設備として、経済産業大臣(経済産業局)の確認を受けた投資計
画に記載された投資の目的を達成するために必要不可欠な設備
※上記の要件について、経済産業局から確認書を取得する必要があります

対象設備

※1 発電の用に供する設備にあっては、主として電気の販売を行うために取得又は製作をするもの(経営力向上計画の実施時期のうちで発電した電
気の販売を行う期間中の発電量のうち、販売を行うことが見込まれる電気の量が占める割合が2分の1を超える発電設備等)を除く。
※2 医療機器にあっては、医療保健業を行う事業者が取得又は製作をするものを除く。
※3 医療保健業を行う事業者が取得又は建設をするものを除くものとし、発電の用に供する設備にあっては主として電気の販売を行うために取得又は建設をするものを除く。
※4 複写して販売するための原本、開発研究用のもの、サーバー用OSのうち一定のものなどは除く(中促と同様)。
※5 発電設備等の取得等をして税制措置を適用する場合には、経営力向上計画の認定申請時に「発電設備等の概要等に関する報告書」及びその記載内容を証する書類の添付が必要となります。詳しくは「経営力向上計画策定の手引き」P.19を確認してください。
※6 働き方改革に資する減価償却資産であって、生産等設備を構成するものについては、本税制措置の対象となる場合があります。
詳しくはこちらの質疑応答事例(国税庁)をご確認ください。https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/hojin/04/16.htm

遠隔操作、可視化、自動制化

①遠隔操作
1)デジタル技術を用いて、遠隔操作をすること
2)以下のいずれかを目的とすること
A)事業を非対面で行うことができるようにすること
B)事業に従事する者が、通常行っている業務を、通常出勤している場所以外の場所で行うことができるようにすること
②可視化
1)データの集約・分析を、デジタル技術を用いて行うこと
2)1)のデータが、現在行っている事業や事業プロセスに関係するものであること
3)1)により事業プロセスに関する最新の状況を把握し経営資源等の最適化※を行うことができるようにすること
③自動制御化
1)デジタル技術を用いて、状況に応じて自動的に指令を行うことができるようにすること
2)1)の指令が、現在行っている事業プロセスに関する経営資源等を最適化するためのものであること
※「経営資源等の最適化」とは、「設備、技術、個人の有する知識及び技能等を含む事業活動に活用される資源等の最適な配分等」をいいます

適用手続き

 各様式は中小企業庁ホームページからダウンロードできます。(トップページ→経営サポート→経営強化法による支援→経済産業局による確認書について(C類型))https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/kakuninsyo_c.htm

①・② 申請書(様式1)に必要事項をご記入いただき、必要書類(当該申請書の裏付けとなる資料等)を添付の上、認定経営革新等支援機関の事前確認を受けてください。認定経営革新等支援機関は申請書と裏付けとなる資料に齟齬がないか等を確認し、「事前確認書(様式2)」を発行します。
③・④ 申請者は、必要に応じて申請書の修正等を行った上で、②の事前確認書を添付の上、本社所在地を管轄する経済産業局に、事前にご連絡をした上で、申請書二部・必要添付書類二部・事前確認書二部を一式としてご郵送ください。なお、確認書発行に対して、返信用封筒(返信先の宛名必須)に切手(確認書には申請書及び必要添付書類を一式として送付いたしますので、重量をご確認の上、必要となる切手を添付してください。)を添付したものを同封してご郵送ください。
経済産業局は、郵送を受け取ってから(郵送物の到着日が受理日となります)、概ね1ヶ月以内に、②の事前確認書、申請書、添付書類に基づき、当該申請書が経営力向上設備等の投資計画であるとして適切である場合に確認書(様式3)を発行し、申請書及び必要添付書類を添付したものを返送します。
⑤・⑥ 申請者は、④の確認を受けた設備について経営力向上計画に記載し、計画申請書及びその写しとともに④の確認書及び確認申請書(いずれも写し)を添付して、主務大臣に計画申請します。主務大臣は、計画認定書と計画申請書の写しを申請者に交付します。
⑦・⑧ 認定を受けた経営力向上計画に基づき取得した経営力向上設備等については、税法上の他の要件を満たす場合には、税務申告において税制上の優遇措置の適用を受けることができます。税務申告に際しては、④の確認書、⑤の申請書及び⑥の認定書(いずれも写し)を添付してください。
(注)本手続きを行っていただいた場合でも、税務の要件(取得価額や事業の用に供する等)を満たさない場合は、税制の適用が受けられないことにご注意ください。

設備の取得時期(ABC共通)

経営力向上設備等については、以下のとおり、経営力向上計画の認定後に取得することが【原則】です。

原則に従うことができない場合には、設備取得日から一定期間内に経営力向上計画が受理される必要がありますので、【例外】の流れをご確認下さい

【原則】経営力向上計画の認定を受けてから設備を取得

【例外】設備取得後に経営力向上計画を申請する場合

設備を取得した後に経営力向上計画を申請する場合には、設備取得日から60日以内に経営力向上計画が受理される必要があります(計画変更により設備を追加
する場合も同様です)。
上記の場合において税制の適用を受けるためには、制度の適用を年度単位で見ることから、遅くとも当該設備を取得し事業の用に供した年度(各企業の事業年
度)内に認定を受ける必要があります(当該事業年度を超えて認定を受けた場合、税制の適用を受けることはできませんのでご注意ください)。

事業承継等に係る特例

事業承継等に係る登録免許税・不動産取得税の特例

土地・建物の取得に係る税制措置

他者から事業を承継するために、土地・建物を取得する場合、登録免許税・不動産取得税の軽減措置を利用することが可能です。

制度概要

①中小企業者等が、②適用期間内に中小企業等経営強化法の認定を受けた経営力向上計画に基づき、③合併、会社分割又は事業譲渡を通じて他の中小企業者等から不動産を含む事業用資産等を取得する場合、不動産の権利移転について生じる④登録免許税、不動産取得税の軽減を受けることができます。

中小企業者等とは?

・資本金又は出資金の額が1億円以下の法人
・資本金又は出資金を有しない法人のうち常時使用する従業員数が1,000人以下の法人
・常時使用する従業員数が1,000人以下の個人
・協同組合等(中小企業等経営強化法第2条第2項に規定する「中小企業者等」に該当するものに限る)
ただし、次の法人は、たとえ資本金が1億円以下でも中小企業者とはなりません。
①同一の大規模法人(資本金又は出資金の額が1億円超の法人、資本金又は出資金を有しない法人のうち、常時使用する従業員数が1,000人超の法人又は大法人(資本金又は出資金の額が5億円以上である法人等)との間に当該大法人による完全支配関係がある法人等をいい、中小企業投資育成株式会社を除きます。)から2分の1以上の出資を受ける法人
②2以上の大規模法人から3分の2以上の出資を受ける法人土地・建物の取得に係る税制措置の概要
他者から事業を承継するために、土地・建物を取得する場合、登録免許税・不動産取得税の軽減措置を利用することが可能です。
② 適用期間とは?
平成30年7月9日から令和4年3月31日までの期間
※ 以上の条件を満たせば、登録免許税・不動産取得税いずれの軽減措置も利用可能となります。
以上の条件までは満たさない場合でも、中小企業経営強化法上の「中小企業者等」(「経営力向上計画策定の手引き」P.3をご参照ください。)に該当する者であれば、登録免許税の軽減措置のみ利用することができます

適用期間とは

平成30年7月9日から令和4年3月31日までの期間

対象となる行為類型

(i) 合併 、(ii) 会社分割 又は (iii)事業譲渡 により、他の中小企業者等から土地・建物を含む事業上の権利義務を取得する行為であって、事業の承
継を伴うもの
※ 「事業の承継を伴う」取組みであることが必要です。
① 同一の者に支配された法人間での事業の移転等、実質的に事業の承継といえないものは除かれます。具体的には、承継される企業と承継する企業を直接又は間接に支配している者が、同一の者である場合には、「事業の承継を伴う」ものとはいえず、対象となりません。
② 事業を承継させる側の経営者と事業を承継する側の経営者が親族関係にない場合であれば、認定対象となり得ます。双方の経営者が親族関係にある場合には、別途申請書の提出先又は中小企業庁 事業環境部 財務課にお問合せください

軽減措置の内容

認定計画に基づき、合併、会社分割又は事業譲渡を行って、土地・建物を取得する場合には、以下のとおり、特例が適用されます。

適用手続き

① 計画認定
合併、会社分割又は事業譲渡を行って土地・建物を取得することを内容に含む経営力向上計画を策定し、認定を受けてください。登録免許税の軽減措
置を受ける場合には、適用証明申請書を計画認定の省庁に2部提出し、軽減措置の対象であることを示す適用証明書を受け取ってください。
なお、不動産取得税の軽減措置を受ける場合には、申請書の提出先は、当該措置に係る土地・建物が所在する都道府県になりますので、ご留意ください。

※ 不動産取得税の軽減措置を受ける場合、提出先となる省庁に対し、申請書の記載内容、提出手続きについて、可能な限り事前にご相談ください。

② 合併等の実行、土地・建物の権利移転登記手続き
認定計画の内容に従って合併、会社分割又は事業譲渡を実行した後、土地・建物の権利移転に係る移転登記手続を法務局に申請することになります。登録免許税の軽減措置を受ける場合には、この申請の際、適用証明書を添付して申請してください。申請時に納付すべき登録免許税が、軽減されます。
※ 登録免許税の軽減措置を受けるためには、計画認定の日から1年以内に移転登記手続きを完了することが必要です。

③ 不動産取得税の申告・納税
不動産取得税の軽減措置を受ける場合には、不動産の取得に係る申告の際に、認定書の写しを添付して申告してください。その後、都道府県から送付される納税通知書に従い、軽減された税額を支払ってください。

金融支援

経営力向上計画が認定された事業者は、政策金融機関の融資、民間金融機関の融資に対する通常とは別枠での信用保証、債務保証等の資金調達に関する支援などを受けることができます。

各金融支援の概要

適用対象者

適用手続き

各種金融支援のご活用を検討している場合は、経営力向上計画を提出する前に、関係機関にご相談ください。関係機関は以下の通りです

法的支援

各種法的支援の概要

実施する事業承継等の内容と、利用可能な支援措置の関係は、以下のとおりです

①許認可承継の特例
事業承継等を行うことを記載内容に含む経営力向上計画の認定を受けた上で、その内容に従い、以下のいずれかの許認可事業を承継する場合には、承継される側の事業者から、当該許認可に係る地位をそのまま引き継ぐことができます。
旅館業/建設業/火薬類製造業・火薬類販売業/一般旅客自動車運送事業/一般貨物自動車運送事業/一般ガス導管事業
② 組合発起人数の特例
組合の組成を記載内容に含む経営力向上計画の認定を受けた上で、その内容に従い、事業協同組合、企業組合又は協業組合を設立する場合には、通常、最低4人必要とされている発起人の人数が、3人でも可となります。
③ 事業譲渡の際の免責的債務引受けの特例
通常、企業が事業譲渡により債務を移転するには、債権者から個別に同意を得る必要があり、この同意がない場合には、事業譲渡をした企業は債
務を免れないこととなります。事業譲渡を行って他者から取得する経営資源を活用する取組みについて計画認定を受けた場合、企業が債権者に対して通知(催告)し、1ヵ月以内に返事がなければ債権者の同意があったものとみなすことができ、より簡略な手続きにより債務を移転することができます。この支援の措置の適用対象となるのは、①「事業承継等」として、事業譲渡を行う場合であって、②承継される側の中小企業者が株式会社であるときに限られますので、ご注意ください。

許認可承継の特例

① 事前相談
本支援措置によって許認可を引き継ぐ場合にも、許認可を所管する省庁の判断が介在しますので、円滑に認定を受けていただくためにも、許認可を所管する行政庁に事前にご相談ください。許認可を所管する省庁から、質問や資料提出の求めがあった場合、回答・提出にご協力いただけますようお願いいたします。

② 計画認定申請
事業を引き継ぐためのスキームや、許認可承継の特例を利用したい旨(申請様式の「9 特定許認可等に基づく被承継等中小企業者等の地位」の欄)を記載して、経営力向上計画を策定し、申請窓口に対して申請を行ってください。許認可承継の特例の適用を求める認定申請があった場合、当該申請を受け付けた省庁は、当該許認可を所管する行政庁への協議を行います。許認可を所管する行政庁から、この段階で質問や追加資料提出の求めがあった場合には、ご対応ください。
③ 計画認定
計画の認定を受け、認定書の交付を受けてください。
④ 事業承継等の実行
認定計画に記載された内容に従い、事業承継等を実行してください。それにより当然に、承継される側の事業者が有していた業法上の許認可に係る地位が、承継する側の事業者に引き継がれます。
⑤ 報告
事業承継等を実行した後は、遅滞なく、計画認定を行った省庁に対して、報告を行う必要があります

組合発起人数の特例

適用対象

経営力向上計画において、「事業承継等」として、①事業協同組合、②企業組合又は③協業組合の設立を記載しており、他の事業者と経営資源を共同で利用することにより生産性を向上させる取り組みを行う事業者

適用手続き

①計画認定
次に記載する組合設立の認可申請に先立って、組合の設立を内容に含む経営力向上計画を策定し、認定を受けてください。認定を受けた後2か月以内に、②の組合設立の認可申請を行う必要があります。
② 組合設立の認可申請、設立登記手続
事業協同組合、企業組合又は協業組合の設立に当たっては、組合の設立登記に先立って、所管行政庁から設立の認可を受けなければなりません。この際、通常の添付書類に加えて、経営力向上計画に係る(i)認定書の写し及び(ii)経営力向上計画の写しを添付することによって、発起人の人数が3人であっても、設立認可を受けることが可能になります。認可を受けた後、設立登記手続きを行ってください。

事業譲渡の場合

事業譲渡の場合の債権者の異議の催告

① 計画認定
事業譲渡の実行に先立って、事業譲渡により他の中小企業者(株式会社)から経営資源を取得することを内容に含む経営力向上計画を策定し、
認定を受けてください。

② 事業譲渡に係る組織決定(承継される側の企業)承継される側の中小企業(株式会社)において、会社法の規定及び会社の内部規程に従い、(i) 取締役会の決議、(ii) 株主総会の決議、又は(iii)執行役の決定を経てください。

③ 債権者に対する催告(承継される側の企業)
承継される側の企業から、当該企業に対して債権を有する債権者(※)に対して、催告を行います。催告においては、1か月以上の催告期間を定め
て、事業譲渡の実行に反対する場合には、当該期間内に、異議を申し出ることができる旨を通知します。
※ 事業譲渡が実行された場合に、承継される側の事業者に対して債務の履行を請求できない(それまで債務者でなかった、承継する側の事業者に対してしか債務の履行を請求できない)こととされる債権者に対して催告を行います。

④ 異議の申出
催告期間内に異議を述べた債権者に対しては、承継される側の企業は、①債務を弁済するか、②担保を提供するか、③弁済をするために信託会社又は金融機関に財産を信託する必要があります(但し、弁済期や債権額、財務状態などを考慮して、異議を述べた債権者を害するおそれがないと認められる場合には、①~③のいずれも行う必要はありません。)。

⑤ 催告期間の経過
催告期間内に異議を述べなかった場合、債権者は債権の移転に同意したものとみなされます。以後その債権者は、事業を引き継いだ事業者に対してしか、支払いその他の債務の履行を求めることができません。

⑥ 事業譲渡の実行
催告期間の経過後に事業譲渡を実行することにより、債務の移転に関する権利関係を明確化しておくことができます。

⑦ 報告
事業譲渡を実行した後は、遅滞なく、計画認定を行った省庁に対して、報告を行う必要があります。

引用元 中小企業等経営強化法に基づく支援措置活用の手引き 

※本手引きは予告なく修正されることがあります。必ず中小企業庁HPに掲載されている最新版をご確認ください。

  • URLをコピーしました!
目次